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玉井 香織消えても、聞こえてくる、見えてくる。

 

消えても、聞こえてくる、見えてくる。

 

まちの人から、「また空き家を壊すから見においで。」と連絡をもらい歩いて5分もかからない空き家に行く。

家の前にはもう産廃のトラックが止まっていて家を壊し始めていた。

声をかけて中に入れてもらうと 中は元工場だったのか、重機が所狭しと置いてある。

 

消えても、聞こえてくる、見えてくる。

 

何十年も空き家だったのに道具類はほとんど痛んでいない。現役のときは毎日動かして、手入れされていたのだろうなとわかる。

6坪ほどの作業場だけど、機能的にできていて棚の中、引き出しの中 小さな箱に大きな箱。手書きで中身が何かきちんと書いてある。

 

消えても、聞こえてくる、見えてくる。

 

壁にかかった時計や、机の上に置いてある湯のみを見ていると 当時の人が作業している姿や、重機のおもい音、油の匂いがしてくるよう。

ここのまわりには小ぢんまりとした工場がたくさんあって 機械のまわる音が日常の音だったのだろうな。

 

消えても、聞こえてくる、見えてくる。

 

ふっとした匂いで思い出す事がある。動いてはいないけど音が聞こえてくるような事もある。

どんどん古い物が消えていく。でもちょっとでも名残のある物があればまた思い出す事ができる。

今、開発が進む中で自分にできる事は少しでも当時の物を思い出せるようなもの、雰囲気を残す事をしていきたい。

まちの思い出を引き継ぎます。

 

 

 

『 DIY+GREEN もっとおうちを好きになる

著者 : つるじょ+みどりの雑貨屋
出版社 : 新建新聞社
価格 : 1200円+税

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