ママたちのDIYは、ただのDIYじゃない!『come home!』編集長 八木優子さん×つるじょ みりさん 前編
子育て中の主婦ら女性の間で盛り上がりを見せるDIY。暮らしを楽しむための手段やライフスタイルの一つの在り方として注目を集めている。
女性向けのDIY指南書として多くのママたちに愛読される『come home!』の八木優子編集長と、大阪市鶴見区にある「みどりの雑貨屋鶴見倉庫」をリノベーションした主婦クリエイターチーム・つるじょのメンバー、milyさんに女性によるDIYについて語り合ってもらった。
デザインも使い勝手も思い通りに!
大工さんにもらった端材で始めたDIY
――milyさん、まずはDIYの魅力を教えてください。
mily 部屋の中で不便に感じるところや散らかっているところって収納の仕方などが間違っていることが多いんです。ですが、そこにピッタリの収納棚は、お店ではなかなか見つけられません。仮に見つけられたとしても値段があわなかったり、デザインが気に入らなかったり・・・。それをデザインも使い勝手も自分の思い通りにつくれるというところが、DIYの一番の魅力です!一度その良さを感じでしまうと、どんどん「次も」ってなるんです。
八木 milyさんが最初にDIYで手掛けたのは何だったんですか。
mily 最初は庭です。近所の大工さんから端材をもらって、お庭をちょっと可愛くしたいなと思って、ハシゴやイスをつくり始めたら、思いのほか可愛くできて。これは楽しいぞ!と、一つのコーナーをつくって増やしていったんです。
八木 その時って、工具などはどうしたんですか?
mily 当時、工具はかなづちだけです。それとクギだけでやってました。
八木 それはすごい!
mily 実は、それをきっかけにブログを始めたんです。
八木 あ、そうなんですね。DIYをきっかけにブログを始められたんですね。
mily そうです。つくり方とかをのせたらおもしろいんじゃないかと思って。性格が大ざっぱなので、最初は塗り方とかもすごく雑でしたね(笑)。そしたら、勝手にアンティークっぽい雰囲気が出て、これはイイ!って思ったんです。端材をくれた大工さんには感謝です。その大工さんとは今でもつながりがあります。
八木 その大工さんに、何か教えてもらったんですか?
mily はい。机のつくり方や、ノミの使い方とか。
八木 そんなことまで教わってるんですか!
mily はい。典型的な職人さんで、最初はすごく頑固っぽかったんですが、端材のお礼にとコーヒーを贈ったりするうちにとても仲良くなって。「イス、ガタガタするんですけど、どうしたらいいですか」など、いろいろ聞きながらやり方を教わりました。家のDIYについても、困った時はアドバイスを求めます。大工さんにいろいろ聞けるから、大きいことにもチャレンジできるんです。
女性でも簡単。電動工具を怖がらないで!
八木 すごいコミュニケーション力ですね(笑)。そんな方が身近にいたら心強い。きっと、大工さんも楽しくて、うれしかったんだろうなあ。それでmilyさんのDIYのテクニックが上達したんですね。電動工具を使うことに怖さはありませんか?丸ノコとか。この可愛らしい方が丸ノコを使いこなしている姿は、なかなかイメージしにくいんですよね。
mily めっちゃ使ってます(笑)。
八木 そっかあ。(女性は)みんなけっこう電動工具を使うのが怖いから大きなものや家具などにトライすることをためらう人が多いんですよね。ドリルドライバーぐらいなら、気をつけていればケガをすることもあまりありませんよね。
mily そうなんです。それをワークショップで伝えたいんです。本で電動工具の使い方が説明されていて、「簡単ですよ」と書いてあっても、なかなか一歩を踏み出せませんよね。それがワークショップで触ってもらいながら、コツを教えてあげれば、「こんなに簡単で便利なんだ」ってわかってもらえて、道具もすすめやすくなるなと思っています。
八木 やっぱりワークショップ、いいですね。私たちの編集部でも「やりたいなあ」って、いつも話してるんですが、人数が少ないから自分たちだけでは大変で。
mily でしたら私たち(つるじょのメンバー)と一緒にやりましょうよ!きっと、すごく盛り上がりますよ!
八木 ほんとですか!ぜひ、お願いします。うれしい!やりたい!
「楽しさやワクワクを伝えたい」
クリエイターチーム・つるじょの活動
――milyさん、『DIY+GREEN もっとおうちを好きになる』の見どころを教えてください。
mily 「見て楽しめる」ということを一番意識してつくりました。例えばインテリアなどについて、今から家を建てる人がこれを持って工務店さんに行って「こういう雰囲気にしてほしいんです」と頼めるような本を目指しました。見ていて楽しい、見て真似したいと思われる写真をたくさん掲載しました。それから(DIYの)初心者から上級者まで楽しめるようなものにするということも意識しました。グリーンを取り入れたことも大きなポイントですね。グリーンを入れると室内空間は格段に良くなります。つるじょのみんなが強く思っている「もっとおうちを好きになる」というメッセージが、この本には込められているんです。
八木 写真が、本当に素敵ですね。人や子どもたちが入っているのがとってもいいですね。何よりも楽しそうなのがいいですね。
mily 人がいると暮らしが見えるのかなと思って。鶴見倉庫をみんなで改造したのも、家のDIYに役立てそうな感じを伝えたくて。それからみんなで作業することの楽しさも伝えたいんです。楽しさを伝えながら、「ワクワクするような本になればいいな」って(つるじょの)みんなで話しています。
八木 学生のころは、文化祭や体育祭やみんなで共同で行うことがたくさんあるけれど、大人になるとなかなかそういう機会自体がないですもんね。
mily 本当にそうなんです!鶴見倉庫の改造は、まさに大人の文化祭といった雰囲気でした(笑)。企画して、実際にやって。イベントもそうなんですよね。大人になってワクワクすることを自分たちで企画してやるのって、すごく楽しいんです。
八木 ものをつくるのって本来はみんなで楽しくワイワイやるべきものなのかもしれませんね。
mily だからワークショップが楽しいんでしょうね。みんなでやるから。ワクワクと、それから何かを始めたいという気持ちになってもらいたいというので、みんなの想いが一致して。
八木 すごくそれが伝わってくる本に出来上がっていますね。
mily ありがとうございます!八木さんにそう言ってもらえると、すごくうれしいです。載っているほかのメンバーのそれぞれの家も、お世辞抜きで、すごいなって思うんです。そして、お互いがみんなそんなふうに思っているんです。お互い同士を尊敬しあっているような感じです。
八木 見ていると、みなさんそれぞれ個性があって、お互いの刺激にもなっているんでしょうね。良い仲間ですね、本当に。
mily みんな個性的で、ハッキリしてるんです。ブログなども歴が長くてそれぞれ人気のある人たちなので。一言で言えば、みんな「我が強い」(笑)。それなのに「よくこんなに仲良くできているな」と不思議なくらい仲がいいんです。女子なのに男っぽいのかもしれませんね(笑)。「私たちこんなに我が強いのに何でもめないんだろうね」って、いつも笑いながら仲間で話してるんです。偶然、集まったメンバーがこんなにピッタリくるなんてうれしいです。
八木 この本を見ると、出ているママたちがみんなきれいで生き生きしていますよね。鶴見倉庫のイベントで、お客さんがみんなスマホで写真を撮っている姿を見て、つるじょのメンバーは、“DIY界のAKB”だ、“会えるアイドル”だなと思いました。記者会見みたいでしたよね。すごくかっこよかったですよ。
mily いやあ、そんなことないです、みんなお笑いっぽいです(笑)。でも、いままでは物販イベントがほとんどで、あの時、DIYをした実物を見てもらって質問してもらうというケースが初めてだったので、すごく不安だったんですが、めちゃくちゃお客さんが来てくださって、びっくりしましたね。
八木 イベントの力ってすごいと思いました。
SNSで、イベントでつながっていく
mily はい。イベントの盛り上がりやお客さんとのつながりってとても大切ですね。SNSのつながりも大切です。特に最近、ブログよりもインスタグラムでつながるケースが多いです。コメントとかしてたら、東京と大阪なのにもう友達みたいな感覚になってきて、○○ちゃん、みたいな感じで。毎日見てるので、すごく仲がいい友達みたいです。不思議な感覚です。ワークショップに来てくれたお客さん同士もインスタで簡単につながって、盛り上がっているのを見て、大げさですけれど、生きる活力になったりもするんです。DIYをきっかけに、こうしてSNSで友達ができたりするというのもすごく魅力です。友達ができて喜んでいる人がたくさんいるんです。つくってみて家族に見せて喜んでもらえるのはもちろんうれしいんですが、SNSにのせたら、いいね!可愛いね!とみんなが言ってくれるから、それがすっごく楽しくて、楽しみが増えたという人がたくさんいるんです。
――milyさん、「あたため中」のものは何かあるんですか?
mily うちは、1階は洗面所がまだ手付かずなので、手を加えたいって思っていますね。こんなふうにしたいっていうのは、頭の中で常にあたためてます。
八木 お母さんでDIYをバリバリやっている人たちが総人口に占める割合ってそんなに多くないと思うんです。でも、やっている人たちがやっていることは、確実にいろんなことを変えているって思ってるんです。だから影響力は大きいと確信しています。milyさんみたいな真摯に毎日楽しんで生きようとするスタイルがたくさんの人に影響を与えて、そこには家づくりのプロをさえも本気にさせるパワーもあって、なによりもそういうお母さんを見て育つ子どもたちがさらに変えていってくれると。お母さんの力が日本を変えると思っているんです。お母さんが楽しければ日本は明るくなるはずです。
mily 楽しく生きることは一番大切なことだと思います。そうした想いがベースにあるから八木さんたちがつくる『come home!』が「あったかい本」なんだってことが、きょう本当によくわかりました。いろいろなものが載っているけれど、何だかあったかいんです。インテリアの本て冷たい本が多いけれど、八木さんたちのそうしたお母さんたちへの熱い想いがベースにあるから、あんなにあったかい本になるんだなって、そのもとを知ることができてとてもうれしかったです。
八木 そんなふうに言ってもらえてすごくうれしいです。もっともっと想いを伝えていきたいって思います。
………ふたりのお話しは、まだまだつづきます。後編へ。
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