わたしたちの小屋ものがたり[小屋女子計画編]②オンナ手ひとつで組み立てられる小屋
「自然のなかに小屋がある風景が好き」というえりすけさんは、構想時点から森のなかに小屋を建てたいと考えていたそう。屋外のグリーンに合うようウォルナットのオイルで着色。その後、白いペンキでリメイク。
「小屋女子計画」は、ハンドメイド作家と新建新聞社のコラボで2012年冬に始まったプロジェクト。最初のミッションは、ひとり1つの小屋をつくり「日本ホビーショー2013」でお披露目することでした。そんな小屋女子たちの「My小屋」にスポットをあてます。
第2回目は木工・コラージュ作家のえりすけさん(スプンク)の「5分でカンタン組立!女性ひとりで建てられるスプンクの小屋」。
解体後はこんなにコンパクトに。
■女性ひとりで組み立てて、解体して、運べる
えりすけさんがめざしたのは「軽くて、女性ひとりでも運べて、インパクトドライバなどの道具を使わずに組立・解体ができる」小屋。
そのためには、なるべく軽くて薄い材料と、躯体を軽量化するアイデア、何度でも組み立てて使い終わったら解体しコンパクトに収納できるしかけが必要です。
■軽くする工夫
そこでまず、骨組に使う材料を選びました。「1820x30x40mmの角材」を選んだのは、ホームセンターで手に入りやすい長さで、扱いやすい重さだから。
壁は「はめ込み式」に。骨組の側面に溝加工をほどこし、5mm厚の薄板を落とし込んでいけば、クギやビスでの固定が要りません。
あえて壁全面を覆わず、床から70cmの腰壁の高さにとどめたのは、軽さと明るさを両立するため。
屋根は布をふわりとかけるだけ。これも軽さと明るさを同時に得る一石二鳥のアイデアです。
手前が10分の1模型。スツールの上に乗っているのは、小屋の背面に付ける「吊り下げ窓」。番線(建築用足場の結束に使う、加工しやすい鉄線)と杉板で手づくりした。
■ミニチュア模型が大活躍
「図面は得意じゃない」というえりすけさんの小屋づくりでは、最初につくった「1/10模型」が大活躍しました。
頭のなかで描くイメージだけでは詰め切れない部分も、手に取れるミニチュアがあると便利。小屋の組立・解体の方法もこのミニチュアで検討・確認したといいます。
また、特別な工具を使わずに、どうやって角材を接合したのかも気になるところ。えりすけさんは「ベッド用金具」や「差込蝶番」といった金物を随所で使うことで、課題をクリアしました。
「最初はどんな金物がいいのかさっぱりわからなかったので、金物のショールームに出かけました。
そこにいる“おじちゃん”の前で小屋のミニチュアを取り出して、組み立てたり解体してみせて『この10倍サイズの小屋をつくるには、どんな金物を使えばいいのか?』を1つずつ聞いて、必要な金物をそろえていったんです」
この“おじちゃん”がとにかく親切で、忘れられない思い出になったのだそう。
角材こそホームセンターで調達したものの、それ以外は自宅にあったモノ(外壁材の余り、掘り起こした石)、拾ったモノ(焼き網、シャベルの先)、もらいモノ(白樺の枝)を活用。
■裏テーマは「拾いモノの活用」
「ピカピカの新しいモノよりも もう何年も前から使い込んでいるような雰囲気が好き」
「その辺に転がっている材料(ガラクタ)を使って特別なモノをつくるのが好き」
と話すえりすけさん。
小屋にもその精神を存分に注入。公園で拾ったシャベルの先や焼き網、庭から出てきた大きな石、あえて散らしたペンキがいい味を添えています。
■建てるだけで人が集まる、不思議なハコ
「作品を並べて、空間全体で“私らしさ”を表現できたら」
そう思って始めた小屋づくりですが、途中からやりたいことが変わってきたといいます。
「小屋を通じていろんな人と知り合ってコミュニケーションしたい」
「いろんな場所に小屋を建てて、話したりお茶を飲んで過ごしたい」
次第に小屋をきっかけにした「つながり」に興味がシフトしていきました。
「小屋って、建てるだけでナンダカンダと知らない人が集まってきて、会話やつながりが生まれる不思議なもの。おしゃべり好きなわたしにとって、それはとてもシアワセなひとときなんです」
最後に、自宅をハーフセルフビルドしたえりすけさんに、家と小屋の違いを聞いてみました。
「小屋ってちょっとおままごと気分で、非日常のにおいがします。すごく大きくは違わないけれど、同じじゃない。そんな感じかもしれません」
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