もしも「電動工具を握ったこともないアナタ」が電動工具メーカーの社員になったら、まず1番に何をしますか？

「とにかく電動工具に触れてみる」

「出来る人に教わる」

「出来る人に任せる」

色んな方法を選択される方がいると思います。

電動工具メーカーは、オフィスにもお店にも、カタログにもホームページにも…

とにかく周りは様々な工具で溢れています。当たり前と言えば当たり前。そして好きな人や得意な人にとっては、オモチャのたくさんある、まさに”電動工具の宝箱” のはずです。

でも、今まで電動工具を握ったこともなかった人にとっては、「使ったことがない」なんてちょっと言いだしづらい状況。そんな状況に、まさに入社早々直面します。 自分で選んだ道ながら、それはなかなかスリルのあるものでした（苦笑）

女子ならば「使い方が分かりません」と可愛くお願いすれば、結構優しく教えてもらえるかも!?しれませんが（笑）男子がそう言いだそうものなら「…なぜここに？」という、弱肉強食、いや偏見と脅威に満ち溢れた眼差しが待ち受けています。(個人的なトラウマからか、だいぶ大げさな脚色になっています（笑）)

そんな環境で、ズブの素人ながらも人見知り…あまり可愛いらしさも出せなかった私は、

忙しい先輩をつかまえて「教えて下さい」となかなか言い出せず…

とは言え　立場的に「知らない」とはいい難いポジションについてしまい…

入社当初、そんな私がとった行動…それは、工具を使っている人の「表情を見る」でした。

「使い方を見る」の間違いでは？…と思われたかもしれませんが、素人過ぎた私にとって、使い方を見ることでは何の助けにもならず…

ですが特技は「人間観察」…と自負するほど（苦笑）、引っ込み思案で人見知りの私。　

表情を読み取るのはなかなか得意だったので、そこからはじめることにしたのです。

工具を使っている人の表情を見て、何が分かるのだろう？　

そう思われるかも知れませんが、驚くなかれ！　そこには3つの共通点があったのです。

まずは…

① 「真っ直ぐ見ている」のです。

余所見をしながら工具を使っている人には、これまでひとりも出会ったことがありません。

絵を描いたり、針仕事をしたり、楽器を演奏したり、スポーツをしたり…気分が高まったり、技術力が高まれば、手元を見ずとも楽しめるものもたくさんあります。

「電動工具は違うんだぁ」と思ったのを、今でもはっきりと覚えています。どれだけ工具の使い方に慣れたベテランの先輩も、手元からは、絶対に目は離さなかったのです。

そして…

②「真剣」なのです。

やはり電動工具。とっても便利な道具ですが、使い方を一歩間違えると危険な道具にもなってしまいます。工具メーカーの人たちはそのあたりには、非常に敏感です。　工具をヘラヘラしながら使っている人にも、これまでひとりも出会ったことがありません。

そして最後に…

③ 「得意気」なのです。

決して、悪い意味ではありません（笑）とにかく…険しい表情だろうが、笑顔だろうが、

涼しげだろうが…みんな「どう？」という表情をしています。　

そう、落ち着いているのです。

どうですか？ この3つの共通点。　

「なんだぁ～、そんなことかぁ」…と思われたかもしれません。

ですがコレ。逆さまにすると……まさに「工具を使えない人の表情」になるのです。

余所見をしていたり…

ふざけたり…

何だか不安気…

それでは、なかなか工具は使えません。

「工具を使っている人」の3つの共通点。　当たり前のような事なのですが、この3つを”おまじない”のように心の中で唱えてから工具を握ると、本当に効果的なんです。

「落ち着いて、しっかりと見て、真剣に扱う」と、工具はとてもフレンドリーになります。

D.I.Y.をひとりでも多くの方に楽しんでもらいたい。そんな気持ちでいっぱいのD.I.Y.専用工具メーカーだからこそ、まずは工具に対する”真摯さ”を伝えたい。そして電動工具を使うことで味わえる”感動”を知ってもらいたい。

こういうことも、間違いなく”電動工具の使い方“のひとつだと思うのです。

【もしも「電動工具を握ったこともないアナタ」が電動工具メーカーの社員になったら、

まず1番に何をしますか？/ おわり】